作務衣が導く 深い旅のひととき
古と新が交差する『神楽坂』
東京都新宿区に位置する神楽坂は、徳川幕府が築いた江戸城の近くにあり、400年以上の歴史を誇るエリアで、武家屋敷や寺町、飲食店街、商店街など、多様な要素を含む日本でも珍しい地域です。古き良き時代の面影が色濃く残る街並みが特徴です。
細い路地や石畳の道、伝統的な木造建築が立ち並び、歩くだけで日本の歴史を感じることができます。例えば、黒塀に囲まれた料亭や茶屋、隠れ家的な居酒屋などは、江戸時代の風情を今に伝えています。これらの場所では、日本の伝統的な料理や芸者によるおもてなしを体験でき、まさにタイムスリップしたかのような感覚を味わうことができます。
一方で、神楽坂は現代的な要素も取り入れた街です。最新のカフェやレストラン、ブティックが古い街並みに溶け込み、新旧の調和が取れた独特の雰囲気を醸し出しています。特に近年は、若い世代に人気のエリアとなり、週末には多くの観光客や地元の人々で賑わっています。
歴史の散歩
神楽坂の見どころとして外せないのは、石畳の横丁です。老舗の料亭や和菓子店が点在し、散策するだけで日本の伝統文化を肌で感じることができます。神楽坂通りから一歩入ると、車両が通れない静かな横丁が広がり、特に「兵庫横丁」や「かくれんぼ横丁」では、昔ながらの風景が広がっています。これらの場所は、ドラマや映画のロケ地としても人気があります。
神楽坂は、かつて「花街」として栄え、今でも東京六花街の一つです。最盛期には150軒以上の料亭や待合があり、600人以上の芸者や幇間(ほうかん)が活躍していました。いまも約20名の芸者が在籍し、「神楽坂をどり」などのイベントでその伝統を守り続けています。
EDO KAGURAの活動
神楽坂を拠点に活動する『株式会社EDO KAGURA(以下EDO KAGURA)』は、2023年に「NINJA KOTAN(ニンジャコタン)」というサービスブランドを通じて、外国人旅行者向けの衣類レンタルとコンシェルジュサービスの提供を開始しました。2024年には神楽坂を中心とする伝統文化体験ツアーの提供を開始しました。外国人旅行者に「本物」の伝統文化体験の楽しみ、喜びを提供するとともに、日本の貴重な文化遺産を守りたいと考えています。体験ツアーに、衣類レンタルやコンシェルジュサービスを組み合わせ、誰もが自由に旅行できる社会をつくり、人々を幸せにすることを目指しています。
「NINJA KOTAN」はアイヌ語で「村」、そして「忍者」を組み合わせた「忍者村」を意味するサービス名です。EDO KAGURA代表の山田真也さんが北海道大学出身という背景から、アイヌ語を多様性や環境保護の象徴として取り入れました。また、「忍者」の軽快さが「ラクな旅」のイメージにぴったりであり、インバウンド客にも親しみやすい名前となっています。
江戸時代から続く染色技術や組紐製作などの伝統工芸は、現代の生活様式の変化により着物市場が縮小し、存続が危ぶまれています。また、浮世絵や芸者の御座敷遊びも需要が減少し、高齢化による檀家の減少により寺院経営も厳しい状況にあります。しかし、伝統工芸や芸者の芸の鑑賞、座禅などの文化体験は、外国人旅行者から高い関心を集めています。EDO KAGURAは、これらの伝統工芸と文化体験の提供を通じて、伝統を次世代に伝えるべく躍進しています。
世界初のサービス、「NINJA KOTAN」
「NINJA KOTAN」のサービスは、「伝統文化体験ツアー」、「衣類レンタル」、「コンシェルジュサービス」の三本柱で成り立っています。
山田さんの調査によると、海外旅行者の9割が手荷物に不満を感じていることがわかりました。この問題を解消するため、衣類レンタルを開始しました。旅行者は専用サイトで衣類を注文し、旅先で受け取り、帰国時にそのまま返却することができます。このサービスにより、手荷物の軽減が実現し、旅行の不便さが解消されるとともに、飛行機の軽量化によるCO2排出量削減にも貢献できます。
コンシェルジュサービスでは、旅行前の旅程作成をサポートします。観光地間の移動手段、出発・到着時刻、料金の調査、レストランのメニュー翻訳など、旅行者の利便性を高めるさまざまな支援を行います。このサービスは、山田さん自身が旅行好きであり、これまでに40か国以上を訪問した経験から生まれたものです。訪問国の観光情報を集める難しさを実感した山田さんの経験を基に、旅行者にとってより便利な情報提供を目指しています。
この三つのサービスを同時に提供することは世界初の試みで、旅行者に文化体験を楽しんでいただいたうえで、より快適で経済的な旅行体験を実現します。
作務衣導入のきっかけ
日本への出張前後に日本の文化や伝統工芸を体験したいと考える外国人旅行者が多くいますが、ビジネススーツやカジュアルすぎる格好ではそのような活動には適していません。特に、ラフすぎる服装はお座敷や座禅などの日本の雰囲気にも合わず、礼を欠く可能性もあるため、適切な服装が求められます。EDO KAGURAは、新宿区を拠点に歴史ある工房や寺院での制作体験や座禅体験ツアーを積極的に企画しており、参加者の衣類として、着心地の良さと動きやすさを兼ね備えた『作務衣』に注目しました。こうして、和粋庵とのつながりが生まれました。
ご利用いただいている作務衣は「絣紬作務衣」です。サイズはSSからLLまで、色は17種類と豊富な和粋庵の定番商品です。程よい厚さで柔らかな肌触りを持つ綿100%生地は、年間を通して快適にお使いいただけます。EDO KAGURAでは多くの方に人気がある「濃紺」と「濃あずき」をSサイズからLLサイズまで導入されました。お手入れは自社でご対応いただいています。
旅行者が座禅体験の際に作務衣を着用されたところ、座禅の深い没入感と作務衣の着心地の良さに感動されたとのことです。また、僧侶の方も外国人が作務衣を着る姿を初めて目にし、大変喜ばれたという嬉しいご感想をいただきました。
全ての人がラクに旅行できる世の中を作る
「誰もが自由に移動できる社会を作り、人々を幸せにする」を企業の存在目的として掲げ、「旅に幸せだけを残す」ことを目指している山田さんに、今後の目標についてお伺いしました。
『COVID-19後に、日本への外国人旅行者は大きく回復しました。しかし、京都など著名な観光地に集中し、オーバーツーリズムを引き起こしています。今後、日本へのリピーターが増えるとともに、旅行者は「見物」から伝統文化「体験」へ、都会の喧騒からゆったりとした地方への旅行へ、ニーズはシフトすると考えています。従って、「本物」の伝統文化体験を提供し、衣類レンタルにより身軽に地方へ旅行できる体制を今、作ることが必要です。そのため、北海道や東北の宿泊事業者様との連携も進めています。まずは東京で伝統文化を体験してもらい、今後は地方の伝統文化や観光の魅力を紹介する活動をする予定です。
また、旅行者は「体験」時に「没入感」を求めます。伝統文化体験の際に、職人や僧侶が着る日本製の作務衣を着ることにより、その実現が可能です。日本の伝統文化と作務衣という強力なタッグが新たな日本観光の光となると信じています。』
山田さんのビジョンと取り組みは、日本の観光業の未来を切り拓くものであり、私たちも微力ながらその一端を担えることを光栄に思います。今後も、山田さんの活動を全力でサポートしてまいります。
公開日:2024年7月24日
施設情報
株式会社EDO KAGURA
〒169-0075
東京都新宿区高田馬場1丁目31-16
ワイム高田馬場ビル606
業種 | : | 旅行業 |
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設立年 | : | 2021年 |
導入 | : | 旅行者用作務衣 |
クリーニング | : | 自社クリーニング |
導入の決め手 | : | ✔サービスとの調和 ✔着心地 ✔仕様・機能性 ✔見た目 ✔カラー |
満足している点 | : | ✔サービスとの調和 ✔着心地 ✔仕様・機能性 ✔見た目 ✔カラー |